【2026年最新】古家付き土地を買う前に知りたい解体費と注意点
こんにちは。
現場管理部の熊谷です。
梅雨が明け、本格的な夏がやってきました💦
暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか😌
この時期は熱中症など体調を崩しやすい季節でもありますので、水分補給や十分な休息を心掛け、体調管理を第一にお過ごしください。私たちも安全を最優先に、日々の業務に取り組んでまいります💪
さて、今回のブログはいつもの現場紹介とは少し趣向を変え、「古家付き土地」についてお話ししたいと思います。
土地探しをされている方の中には、「古家付き土地」という言葉を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、古家付き土地を購入する際のメリット・デメリットについて、分かりやすくご紹介いたします。土地探しをご検討されている方の参考になれば幸いです。
・古家付き土地とは?
古家付き土地は、古い建物が残った状態で売買される土地を指す呼び方です。法律上の明確な区分や定義があるわけではなく、売買の主目的が建物より土地にある場面で、実務上の呼称として使われます。
不動産広告では「土地(現況古家あり)」など、土地として掲載されるのが一般的です。価格も更地相場をベースにしつつ、建物の経済的価値をほぼ見込まない前提で組まれることが多い点が特徴になります。
背景の一つに、税務上の減価償却で用いる法定耐用年数があります。国税庁の耐用年数表では、木造(合成樹脂造)の「店舗用・住宅用」は22年とされており、築20年以上の木造が「古家」と扱われやすい目安になっています。ただし、耐用年数は寿命そのものではないため、建物の状態で判断が分かれます。
引き渡し条件は、主に「現況渡し(現状有姿)」と「更地渡し」に分かれます。現況渡しは現状のまま引き渡すため、解体するなら買主側の負担になりやすい一方、更地渡しは売主が解体して引き渡す形が一般的です。費用負担や解体範囲は契約で調整されるので、特約の詳細まで確認しておくと安心です。
・古家付き土地を仕入れるメリット
古家付き土地は、建物の状態を見極めれば、価格交渉と出口設計の両方で柔軟性を得やすい仕入れ方です。
ここでは、コスト面・活用面・税制面のメリットを整理して解説します。
取得価格を抑えやすくコスト調整がしやすい
古家付きは建物価値が低く見積もられやすく、更地より取得価格を抑えられることがあります。解体費や整地費、残置物処分などを概算しておけば、その分を根拠に値付け交渉もしやすいでしょう。
また、リフォームを前提に購入する場合は、設備の更新や耐震補強といった優先度を整理しておくことで、全体の予算配分を明確にできます。
さらに、想定外の補修箇所やアスベストなどの有害物質の有無については、事前に専門会社による調査を行うことが望ましいです。
再建築や運用など活用の選択肢が広がる
古家があると、「解体して新築」「改修して賃貸・転売」「当面は貸して保有」など出口を複線化できます。状況に応じて投下資金と回収時期を変えられるため、相場変動にも対応しやすくなります。
たとえば、更地化して駐車場運用に切り替えるなど、柔軟な使い分けも検討できます。一方、再建築不可や用途制限、接道条件は土地ごとに異なるため事前確認は必ず行うようにしましょう。
税制や各種制度を有利に活用できる
住宅が立つ土地は、固定資産税・都市計画税で住宅用地の課税標準の特例が適用され、税負担が軽くなります。小規模住宅用地(住宅1戸当たり200m2まで)は、固定資産税の課税標準が6分の1とされます。
課税は毎年1月1日の現況で判定されるため、解体の時期によって翌年度から特例が外れる場合があります。さらに勧告を受けた特定空家等や管理不全空家等は特例対象から除外される点にも注意が必要です。
・古家付き土地を仕入れるときの注意点
古家付き土地は取得価格が抑えられても、解体費や法規制、権利関係の確認不足で収支が崩れやすい投資対象です。
ここでは、仕入れ前に押さえる注意点を見ていきましょう。

・解体や修繕にかかる想定外のコストがある
古家付きの物件では、単純な解体費用よりも、周辺環境や現場の条件によって総額が膨らみやすい傾向があります。たとえば、地中埋設物の撤去、残置物の処分、外構の解体、そして狭小地での重機搬入制限などは、いずれも見積もりを押し上げる要因となります。
また、解体や改修工事を行う際には、アスベスト(石綿)の事前調査が義務づけられており、その調査費用と除去費用は別途計上される点にも注意が必要です。現地では障害物や進入経路の状況を確認し、見積書に記載されていない「対象外項目」を事前に洗い出しておくことが重要です。
なお、一定規模以上の工事については、アスベスト事前調査の結果を労働基準監督署へ報告することが法律で義務づけられています。
・上下水道の引込が必要な場合がある
上下水道の引込や給排水管の取替工事が必要なケースがあることを理解しておきましょう。
古い住宅では、地域によっては現状の公共下水に整備されていない、さらに地域によって設置義務のある雨水の浸透桝が設置されていない場合もあります。
また、上下水道と繋がっていても、途中の枡や配管が老朽化している可能性があるため、その場合は取替なども必要になってきます。
・再建築不可や法的制限を必ず事前確認する
「再建築不可」に該当するかどうかは、土地の収益性や将来の活用方法を大きく左右します。
建築基準法では、建物の敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないと定められています。この接道義務を満たさない場合、建て替えができない、あるいは大きな制限を受ける可能性があります。
併せて確認すべき点として、次のような項目が挙げられます。
接している道路が法令上の「道路」に該当するかどうか
セットバック(道路後退)が必要かどうか
用途地域の指定内容
建ぺい率・容積率の上限
既存不適格建築物に該当しないか
これらは、自治体の建築指導課などの窓口で早めに照合しておくのが安心です。
たとえ既存建物が立っていても、再建築ができない土地であれば、将来的な売却や活用の選択肢は大きく制限されます。購入前の段階で法的条件をしっかり確認しておくことが、リスクを抑えるうえで欠かせません。
・境界や権利関係のトラブルを事前に防ぐ
境界や権利関係は、購入後に問題が発覚しやすく、手戻りや想定外の費用につながりやすいポイントです。
越境や境界未確定のほか、通行・掘削の承諾の有無、私道の持ち分、ライフライン引き込みの権限なども重要な論点となります。とくに私道に接している場合は、将来的な建て替えや工事の際に承諾が必要となるケースもあるため、事前の確認が欠かせません。
また、「現況渡し(現況有姿)」での売買では、契約不適合責任の免責や範囲限定が付されることが多くなります。どこまでが免責の対象なのか、免責条項の記載内容と告知事項の正確さをしっかり確認しておくことが重要です。
併せて、境界標の有無、過去の測量図や登記簿の内容、地役権の設定状況なども確認しておくと安心です。基本的な資料を事前に照合しておくことで、後日の紛争リスクを大きく減らすことができます。
・古家の解体の見積もり費用相場|構造別・坪単価の目安
解体費用は構造と付帯工事で大きく変動します。そのため工務店としては、あらかじめおおよその相場レンジを把握し、追加費用が発生しやすい項目を押さえておくことが大切です。

ここでは、見積もりの要点を整理して解説します。
構造別の坪単価と、30坪の概算目安は次のとおりです。
構造
坪単価の目安
30坪の目安
木造
3万〜5万円
90万〜150万円
鉄骨造
4万〜6万円
120万〜180万円
RC造(鉄筋コンクリート造)
6万~8万円
180万~240万円
※費用は地域・建物条件・付帯工事の範囲・時期で変動します。
同じ30坪でも、実際の見積もりは「処分費の増加」「搬出条件」「付帯撤去」などで上がることがあります。
たとえば木造30坪でも、120万〜150万円程度が一般的な相場として紹介される例があり、坪単価レンジの下限に収まらないケースも想定しておくと安心です。
別途かかりやすい費用は、見積書で項目が分かれていることが多い部分です。
代表例は次のとおりです。
外構撤去(ブロック塀、カーポート、物置、門柱など)
庭木・庭石の処分
残置物(家具・家電・生活ごみ等)の撤去
地中埋設物(古い基礎、浄化槽、井戸、コンクリートガラなど)の撤去
石綿(アスベスト)対応(事前調査、養生、除去、処分の追加)
このように費用に振れ幅があることを踏まえると、相見積もりを取る際は、できるだけ条件をそろえたうえで比較するのが現実的です。
・古家付き土地の活用方法2選
古家付き土地は、解体して更地にする以外にも選択肢があります。建物の状態と将来の使い方を見極めれば、投資を抑えつつ価値を引き出せます。
ここでは、代表的な活用方法を2つ解説します。
・古家を活かして一戸建て賃貸やシェアハウスとして運用する
解体せずに貸し出せば、初期投資を抑えつつ家賃収入を得られます。雨漏りや腐朽、シロアリ被害を点検し、修繕費と想定賃料のバランスを見ながら収支計画を立てましょう。
シェアハウスとして運用する場合は、用途区分や消防基準が変わることがあるため、事前に自治体へ確認しておくことが大切です。
また、管理を怠ると、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき「管理不全空家等」や「特定空家等」として勧告を受ける可能性があります。住宅用地の特例が外れることもあるため、継続的な維持管理を心がけましょう。
・古家をリノベーションしてマイホームとして活用する
自己居住を前提とするなら、まず基礎や構造、雨仕舞い、シロアリ被害などを確認し、耐震性や断熱性能を必要水準まで高める計画を立てます。見た目だけでなく、安心して住み続けられる性能の確保が重要です。
工事規模を問わず、アスベスト(石綿)含有建材の事前調査や、一定規模以上での結果報告が求められます。調査費や手続きも含めて、あらかじめ予算に織り込んでおくと安心です。
まとめ
いかがでしたでしょうか!?
今回は、「古家付き土地をご購入される際の解体費と注意点」についてご紹介しました。
住まいづくりを考える際、「まずは土地を探そう」と考えられる方も多いのではないでしょうか。
しかし、土地と建物は別々ではなく、セットで考える事がとても大切です。
土地の価格だけで判断してしまうと、建物の配置や間取り、駐車スペース、さらには給排水工事などの追加費用が発生し想定していた予算を超えてしまうケースも少なくありません。
理想の住まいを実現するためには、土地だけ、建物だけではなく、両方をバランスよく考えることが大切です。土地探しの段階から建築計画もあわせて進めることで、ご予算やご希望に沿った、より満足度の高い住まいづくりにつながります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。